【IT×営業×起業家精神】~26歳が綴るブログ~

先ずは主に本を紹介します。

THINK WEEK 2018

THINK WEEKを実施しました。
下記記録は、先週2月18日から21日にとある旅館にて実施したものです。
長文となりますが、ぜひご覧ください。



---------------------------------------------------------
日時:2018.02.18(日)~2018.02.21(水)
テーマ:「経営」
背景:組織を築いていく上で必要だと考える、経営やマネジメント。
これらのワードを掲げているのは自身が目指すべき方向だからである。
しかしながら、これらはあくまでも手段に過ぎず、現時点で目的になっているのは否めない。
この状況で進むのは少々危険な考えであり、浅はかに違いない。
なぜそのような状況に陥っているのかというと、二つ原因が考えられる。
一つ目は心から好きなことに取り組めていない。
即ち、その原因となるのは行動量と努力量不足。
二つ目に経営への理解度が浅く漠然と認識している状況。
恐らく、その原因は周囲の人々や過去の実体験の影響による憧れの部分が大半を占めていると考える。外部的要因の割合が大きい。
これらが現時点の悩みであり、深堀をし行動を起こす必要がある。
しかし、先ほども述べた通り、人も街もお金も何もないような砂漠地帯の中を闇雲に突っ走ることが良い方策とはいえない。
その為に、その二つの課題を解決するべくThink Weekを実施する。
このThink Weekというのはマイクロソフトの創業者ビルゲイツ氏が年に数回山奥に籠り行っているものだ。
本来であれば一週間かけて実践する必要があるが、3日間で我のすべきことやりたいことが納得できかつ経営として必要なことを理解し今後どのような行動に落とし込む地点をゴールとする。
そして今回のThink Weekの留意点として、考える力を意識する。
どういうことかというと、本の筆者が投げかける問題に対して疑問を持つようにするということ。
筆者が述べることに対して、違う角度・視点で物事を俯瞰的に見るように心がけることが大事だと考える。
そうすることで、思考力の深さを習得できると感じ同時に、経営に対する考えも深まるのではないかと考える。




目次:
(1)ビジョナリーカンパニーへの挑戦
(2)ビジョナリーカンパニーへの道①準備段階から突破段階まで ~簡易版~
(3)ビジョナリーカンパニーの道②弾み車 初期段階編 ~突破段階へ行くまでのステップ~
(4)ビジョナリーカンパニーの道③弾み車 突破段階編 ~永続する偉大企業へのステップ~
(5)考察






(1)”ビジョナリーカンパニー”への挑戦


ビジョナリーカンパニーの【概要】


第五水準のリーダーシップ・・・(3)①

時を告げるのではなく、時計をつくる──第五水準の指導者は自分がいなくても前進していける企業を築く。不可欠な存在になって自分のエゴを満足させたりはしない。
ANDの才能──個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さ。
基本理念──第五水準の指導者は会社とその理念に関してはきわめて野心的であり、自分個人の成功を超えた目的意識をもっている。
基本理念を維持し、進歩を促す──第五水準の指導者は目に見える業績と成果を達成するために、たえず進歩を促す。そのためには自分の兄弟を解雇することもいとわない。

最初に人を選び、その後に目標を選ぶ・・・(3)②

時を告げるのではなく、時計をつくる──最初に人を選ぶのは時計をつくる作業、最初に目標を選ぶのは(戦略を設定するのは)時を告げる作業である。
ANDの才能──適切な人をバスに乗せることと、不適切な人をバスから降ろすこと。
基本理念──「最初に人を選ぶ」とは、能力やスキルではなく、基本的価値観と目的への適合性によって人を選ぶことを意味する。
基本理念を維持し、進歩を促す──「最初に人を選ぶ」場合、社内昇格を優先させることになり、基本理念を強化できる。

厳しい現実を直視する・・・(3)③

時を告げるのではなく、時計をつくる──上司が真実に耳を傾ける社風をつくるのは、時計をつくることにあたる。赤旗の仕組みがあれは、一層そうなる。
ANDの才能─自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視することと、最後にはかならず勝つという確信を失わないこと。ストックデールの逆説。
基本理念──厳しい現実を直視すれば、組織がほんとうに基本的なものとしてもっている価値観と、基本的価値観にしたいと希望しているだけのものを識別できる。
基本理念を維持し、進歩を促す──厳しい現実を直視すれば、進歩を促すために何をすべきかが明確になる。

針鼠の概念・・・(3)④

時を告げるのではなく、時計をつくる──評議会の仕組みは究極の時計作りである。
ANDの才能──深い理解と、信じがたいほどの単純さ。
基本理念──「情熱をもって取り組めるもの」の円は基本的価値観と目的に見事に重なる。情熱をもっていて、どんな状況になっても放棄しない価値観だけが、ほんとうの基本的価値観である。
基本理念を維持し、進歩を促す──良いBHAGは理解によって設定されたものである。悪いBHAGは虚勢によって設定されたものである。偉大なBHAGは三つの円の重なる部分にぴったりと収まっている。


規律の文化・・・(3)⑤

時を告げるのではなく、時計をつくる──強烈な構成によって規律をもたらすのは時を告げることであり、持続する規律の分あkを築くのは時計作りである。
ANDの才能──自由と、責任。
基本理念──規律の文化によって、組織の価値観と基準を共有していない人は弾き飛ばされる。
基本理念を維持し、進歩を促す──規律の文化があれば、成果をあげる最善の道を実験し、見つけ出す自由を従業員に与えられる。


促進剤としての技術・・・(3)⑥

時を告げるのではなく、時計をつくる──促進剤としての技術は時計の主要部品の一つである。
ANDの才能──技術の流行を避けることと、技術の応用で先駆者になること。
基本理念──偉大な企業では、技術が基本的価値観に従属するのであって、その逆ではない。
基本理念を維持し、進歩を促す──適切な技術によって弾み車の勢いが加速し、BHAGの達成に向けて前進する。

悪循環ではなく弾み車・・・(3)⑦

時を告げるのではなく、時計をつくる──弾み車効果によって勢いが持続するようになる、先見性のあるカリスマ的指導者に依存しなくても従業員の動議付けが可能となる。
ANDの才能──段階的な進化の過程と、革命的で劇的な結果。
基本理念──悪循環に陥れば、従業員は「会社の存在意義と理念は何なのか」と常に考えることになり、基本的価値観と目的を浸透させることができない。
基本理念を維持し、進歩を促す──弾み車の一貫性と突破段階までの勢いの蓄積によって、基本的価値観を浸透させると同時に変化と過程を促せる完全な条件が生まれる。


◆図 弾み車




上記、最初から知らないようなワードが飛び交っており、これだけでは不明であることは明らかなため、詳細を記載する。



そもそも”ビジョナリーカンパニー”とは何か。

Q.ビジョナリーカンパニーとは?
A.商品のライフ・サイクルを超え、優れた指導者が活躍できる期間を超えて、ずっと繁栄し続ける会社のこと。


このずっと繁栄し続けているというのは、単純に「成功した」企業だとか「長く続いている」企業という概念とは異なる。
良好な企業沢山存在するが、偉大な企業というのは数少ない。
良好は偉大の敵ともいえる。


  • 偉大な学校がないのは何よりも良い学校が多いから。
  • 偉大な政府がないのは何よりも無難な政府が多いから。
  • 偉大な人生を送る人がめったにいないのはかなりの部分平凡な人生に満足すれば気楽だから。
  • 偉大な企業がめったにないのはまさにほとんどの企業がそこそこ良い企業になるから。


しかし、偉大な企業はそもそもほとんどが始めから偉大だったのでは?
と疑問を少なからず持つかと。
確かに偉大な企業は大部分は、始めから偉大であった。
そして、良い企業の大部分は現状から抜け出せない、良い企業だけれども偉大な企業にはなれない。
この違いは何か??
ここで偉大な企業と比較対象企業の違いを図でみてみる。




◆図 偉大な企業への飛躍参考図。




この疑問を解決するべく著者は6年以上も調査プロジェクトにおいて、ビジョナリーカンパニーを選び出し、その軌跡を体系的に調べ、比較対象企業とどう違うのか詳細に検討し、企業が長年にわたって卓越した地位にある理由を明らかにした。
但し、比較対象企業とはダメな企業ではなく、先見性がない企業でもない。
いずれも優良企業であり、ビジョナリーカンパニーにひけをとらない歴史を持つ。ビジョナリーカンパニーが金メダルで比較対象企業が銀メダルと考えればよい。





◆図 調査対象企業





どこに違いがあるのだろうか。

  • ビジョナリーカンパニーが一流であり続け、繁栄し続けているのはなぜか。
  • 同じような機会がありながら、同じように成長できなかった他の企業と、どこが違うか。
  • 果たして良い企業は偉大な企業になれるのか。
  • どうすれば偉大な企業になれるのか。
  • こうした企業がなぜビジョナリーカンパニーだと考える特別な地位を獲得したか、そしてどのようにして会社がはじまったか。
  • 小さな企業から世界規模の大組織に成長するまで、様々な困難をどう乗り切ったか。
  • ビジョナリーカンパニーが持つ共通点は何か。そして、良好な企業即ち比較対象企業が偉大な企業、即ちビジョナリーカンパニーになれなかった理由は何か。




◆図 ブラックボックス


この偉大な実績と良好な実績の間にある、”ブラック・ボックス”の内部を突き止める。





(2)ビジョナリーカンパニーへの道①準備段階から突破段階まで ~簡易版~


<ビジョナリーカンパニーの代表例>
●ウォルマート社
ビジョナリーカンパニーになるのにどれくらいかかっているのか。
⇒20年でようやく達成。
永続する偉大な企業は創業期に、偉大な企業への飛躍の枠組みにしたがって、準備段階から突破段階に至る道筋をたどっている。
詳細は後々お伝えすることとして、簡易的にすると、下記四つの結論で纏められる。
夫々確認していこう。


◆図 ウォルマート社 弾み車の動き



㈠永続する偉大な企業をみていくと、初期の指導者が偉大な企業への飛躍をもたらす枠組みを適用していた事実が、かなりはっきりとみてとれる。
違いはただ一点、指導者が初期段階の小企業を率いる起業家であって、既存の企業を飛躍させようとする経営者ではなかったことだけ。



㈡下記(3)で扱った方法を適用して、ベンチャー企業や既存企業を、偉大な業績を持続できる企業にする。
つぎに下記(4)での方法を適用して、偉大な企業が偉大さを永続できるようにする。
既存企業またはベンチャー企業+偉大な企業への飛躍の概念偉大な実績の持続+『ビジョナリー・カンパニー』の概念永続する卓越した企業



㈢偉大な企業を、永続する卓越した企業に転換させるには、下記(4)の中心概念を適用する。
つまり、基本的価値観と利益を超えた目標(基本理念)を見つけ出し、「基本理念を維持し、進歩を促す」仕組みを組み合わせる。


㈣下記(4)で提起されてはいたが、答えられなかった点
⇒それは社運を賭けた大胆な目標(BHAG)のうち、良いものと悪いものの違いがどこにあるのかという問いである。


では、ビジョナリーカンパニーが初期段階でどのように発展を遂げていくのか確認する。



(3)ビジョナリーカンパニーの道②弾み車 初期段階編 ~突破段階へ行くまでのステップ~


(1)に載せた図を再度ご覧頂く。
核となる概念 ⇒ (3)の①~⑧。



この図について、ビジョナリーカンパニーへ進むべく、ステップを纏めたものである。
そのステップについて、要点を①~⑧で纏めてある。



①野心は会社のためにー第五水準のリーダーシップ。

一体何?第五水準?


Q「第五水準」とは何か。
下記図の赤い枠で囲んだ一番上の第五水準に着目。


◆図 第五水準までの段階


A「第五水準」とは、著者の調査の過程で見つけ出した”経営者”能力のうち最高水準を示すもの。
野心的であるのは確かだが、野心は何よりも会社に向けられていて、自分個人には向けられていないのがあるそうだ。


またもう一つ興味データがあり、良い企業を偉大な企業に飛躍させた経営者は全員、同じ性格を持っていること。
企業の規模がどうであろうと、経営が危機的状況であろうと、変わりはない。
謙虚さ+不屈の精神 = 第五水準
第五水準の指導者は徹底して謙虚である。
これに対して比較対象企業の三分の二以上は経営者の我が強く欲が深く、この点が会社がぶつ楽したり低迷が続く一因になっている。






②誰をバスにのせるかー最初に人を選び、その後に目標を選ぶ


飛躍を導いた指導者は、その後に目標を選ぶ行為をするのではなく、最初に人を選んでいる。
そういった指導者は3つの単純な真実を理解している。


  1. 「何をすべきか」ではなく「誰を選ぶか」である。なぜか、それは環境の変化に適応しやすくなるからである。同乗者が気に入ったからであれば、行く先を変えるのは簡単に変えられる。
  2. 適切な人がバスに乗っていれば、動議付けの問題や管理の問題がなくなる。このメリットは、適切な人材なら厳しく管理する必要がないこと。動議付けが必要なくなる。
  3. 偉大な人材がそろっていなければ、偉大なビジョンがあっても意味がない。



◆図 比較図




更に重要なことがある。
それは、どの人をどの席に割り振るか、坐らせるべきか、かなりの時間をかけること
それを判断する必要がある。
つまり、適材適所。
尚且つ、その組織には厳格さを強く求めていく。
真剣に検討することなく気まぐれに解雇したりすることも意味している。
厳しい基準を常に組織内のすべての階層に適用し、特に上層部に厳しく適用する。

  • 採用基準である人事の決定については、
  1. 疑問があれば採用せず、人材を探し続ける。
  2. 人を入れ替える必要があることがわかれば、行動する
  3. 最高の人材は最高の機械の追及にあて、最大の問題の解決にあてない。






③最後には必ず勝つー厳しい現実を直視する。


【共通点】偉大な実績を残した企業の共通点は何か。
それは、自分の置かれている現実の中でもっとも厳しい事実を直視していること。


【それによるメリット】厳しい現実を直視 = 自社が置かれている状況の真実を把握。
それは、真摯に懸命に取り組めば正しい決定ができる。


【基本的な方法】上司が真実に耳を傾ける社風を創るにはどうすればよいか

  1. 答えではなく、質問によって指導
  2. 対話と論争を行い、強制はしない。
  3. 解剖を行い、非難はしない。
  4. 入手した情報を見死できない情報に変える。

【どういった姿勢】偉大さへの飛躍を導く姿勢のカギ
それは、ストックデールの逆説。
⇒どれほどの困難にぶつかっても、最後には必ず勝つという確信を失わないこと。
 そして同時に、自分が置かれている現実の中でもっとも厳しい事実を直視しなければいけない。






④単純明快な戦略ー針鼠の概念

有名な随筆について紹介。
「針鼠と狐」


参考URL: 

URLやwebサイトで検索すると出てくるが簡単に述べると、
針鼠は、たったひとつ、肝心要の点を知っている。
それに対して狐は、たくさんのことを知っている。
要は、狐型いくつもの目標を同時に追求し、複雑な成果を複雑なものとして理解する。
一方で、針鼠型はあらゆる課題やなんだいを単純な概念によってとらえる。
そして、アメリカのとある教授がこう述べる。


「大きな影響を与える業績を残した人たちとそれほど影響を与えられなかった人たちの間の違いは何か。偉人はみんな、針鼠である。」


ここで一つの疑問が浮かび上がる。
Q.単純なだけで十分なのか。
  単純だからと言って正しいとは限らないのでは。
  単純だからと言って間違った考えを頂いていた企業が失敗した例は山ほどあるのではないだろか。


A.ここでは、単純でありさえすればよいというわけではないという。
ビジョナリーカンパニーには二つの戦略が存在。

  1. 飛躍した企業では、戦略の策定の基礎として、3つの主要な側面を深く理解している。
  2. この深い理解を単純で明快な概念にまとめ、この概念を全ての活動指針にしている。

それが下記の図である。


◆図 針鼠の概念





  1. 自社が世界一になれる部分はどこか。同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこか。⇒持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を活かす。
  2. 経済的原動力になるのは何か。⇒その仕事で報酬が得られる。
  3. 情熱を持って取り組めるのは何か。⇒自分の仕事に情熱を持っており、仕事が好きでたまらず、やっていること自体が楽しい。

⇒これらを単純で明快な概念に纏める。
⇒自分の指針にすることができれば、自分の人生を道ぶく針鼠の概念を確立できたことになる。
⇒針鼠の概念を完成させるためには3つの円のすべてが必要。
⇒ある事業で世界一になれても、その事業にもともと情熱をもっているわけではないのであれば、世界一の地位を維持することはできない。
 その事業に情熱を燃やしていても、世界一になれなければ、偉業といえる実績を上げることができない。




◆図 (e.g.)ニューコア



※針鼠の概念
そもそも最高を目指すことではないし、最高になるための戦略でもなく、最高になるための意思でもない。
【重要】最高になれる部分はどこかについての理解すること。この違いに気づくことが重要。
⇒飛躍した企業はすべて、どこかの時点でこの原理を深く理解するようになり、最高になる狭い分野に資源を集中して将来をかけているのだ。
又、飛躍した企業は、針鼠の概念を確立するまでに平均4年かかっている。
針鼠の概念を確立しようとするとき、最も大切な点は、厳しい現実を直視し、3つの円に基づく問いに導かれて、適切な人たちが活発に議論を交わし、論争を行うこと。




◆図 針鼠の概念の確立 反復の過程






⑤人ではなく、システムを管理するー規律の文化


◆図 規律と創造性の関係



さて、⑤では規律について。
偉大な実績に飛躍した企業は比較対象企業と規律がどう違うのか。
それははっきりした制約のある一貫したシステムを構築しているが、同時にこのシステムの枠組みの中で、従業員に自由と責任を与えている。
流れはこうなる。

  1. 転換の第一段階は規律のある人材。第一段階は、不適切な人たちに規律を課して適切な行動をとらせることにはなく、みずから規律を守る人たちをバスに乗せることにある。
  2. 第二の段階は規律ある考え。厳しい現実を直視する規律が必要であり、同時に、偉大さへの道を作りだすことは可能だし、そうしてみせるという確信が確固としていなければない。もっとも重要な点として、として、現実を理解するためにあくまでも努力し、針鼠の概念を確立する必要。
  3. 最後に、規律ある行動が必要である。この順序は重要。比較対象企業は、いきなり規律ある行動を目指していることが少なくない。しかし、規律ある行動は、みずから規律を守る人たちがいなければ持続させることができない。そして、規律ある考えがない状態で規律ある行動をとれば、悲惨な結果になる。

★重要ポイント
 規律自体ではなく、自ら規律を守る人たちを集め(誰をバスに乗せるか)、この人たちが徹底的に考え、その後に針鼠の概念に基づいて設計された一貫したシステムの枠組みの中で規律ある行動をとることが最重要。




◆図 バローズー転換を持続できなかった典型例







⑥新技術にふりまわされないー促進剤としての技術


・偉大な業績への飛躍を遂げた企業は、技術と技術の変化について、凡庸な企業とは違った考え方をしている。





⑦劇的な転換はゆっくり進むーはずみ車と悪循環


魔法な瞬間、決定的な行動、壮大な計画、画期的な技術革新といったものは一切ない。
言葉の通り、良好から偉大への飛躍を導いた経営幹部たちは、転換期を象徴する出来事や瞬間を指摘することができないのだ。
その理由は、小さな動きを大量に積み重ねていった結果がそうなっているからである。
外部からみれば劇的で革命的だと見えるが、内部から見れば生物の成長のような積み重ねの過程である。
最終結果がどれほど劇的であっても、偉大な企業への飛躍が一気に達成されることはない。


(e.g.)
巨大で重い弾み車がある。巨大な輪であり、直径は10メートル、厚さは60センチ、重さは二トン。必死になって押すと、弾み車が何センチか動く。動いているかどうかわからないほどゆっくりと。2,3時間経過してやっと一回転。押し続けると、回転が少し早くなる。ようやく、3回転、4回転・・・30回転、50回転と。そして突破段階に入る。勢いが勢いを呼ぶようになり、回転がどんどん速くなる。重量のある弾み車が飛ぶように回る。
(e.g.)
卵がある。始めは誰も興味がない。ある日、殻が割れてヒヨコが出てくる。著名な新聞や雑誌がこの話題に飛びつき「卵がヒヨコに変身」といった特集記事を掲載。卵が一夜にして変容し根本的な変化を遂げて雛になったかのよう。しかし、雛から見たらどうか。卵を割るのは長い時間をかけてたどってきた過程の一部に過ぎないのだ。



◆図 弾み車効果







⑧弾み車の概念

【★突破への道を切り開くカギ★】


上記にも述べたように第五水準の指導者から始まる。
第五水準の指導者はみな、弾み車の方式に自然にひかれていく。


⇒適切な人たちをバスに乗せ、不適切な人たちをバスから降ろし、適切な人が適切な座席に坐るようにする。準備段階においては、いずれも決定的な一歩になり、弾み車を押す重要な力になる。厳しい現実を直視すれば、弾み車を回転させるために取るべき手段、自明ではあるがむずかしい手段を理解できる。最後に必ず勝てるという確信があれば、何か月かはおろか何年も準備段階を切り抜けられる。


⇒針鼠の概念の3つの円を深く理解するようになり、その理解に基づく方向に弾み車を押し続けていれば、やがて勢いがついて突破段階に入り、促進剤によって勢いを加速できる。特に重要な促進剤は、3つの円が重なる部分に直接に関連する技術の先駆的な応用。


⇒概念に基づく正しい決定を積み重ねていく規律をもっていなければいけない。規律ある行動が不可欠であり、それには規律ある人材による規律ある考えが不可欠である。


⇒これが突破への道を切り開くカギとなる。


以上が企業が初期段階としてどう進むべき概要である。
次に企業が偉大で居続けるためのステップを順を追って述べる。



(4)ビジョナリーカンパニーの道③弾み車 突破段階編 ~永続する偉大企業へのステップ~

特に重要なのは①~⑤。


①時を告げるのではなく時計をつくる

経営者の何回もの世代交代、いくつもの製品サイクルを通じて継続し、環境の変化に適応できる組織を創りあげる。ひとりの偉大な指導者やひとつの偉大なアイデアを中心に企業をつくるのとは正反対。




②ANDの才能

OR(e.g.)
「変化か、安定かのどちらかだ」
「慎重か、大胆かのどちらかだ」


AND(e.g.)
利益を超えた目的 と 現実的な利益の追求
ゆるぎない基本理念と力強い変化 と前進
基本理念を核とする保守主義 と リスクの大きい試みへの大胆な挑戦
明確なビジョンと方向性 と 臨機応変の模索と実験    等


ビジョナリーカンパニーは、両社のバランスをとるといったことをしない。
たとえば、短期と長期のバランスをとろうとしない。
短期的に大きな成果をあげ、かつ長期的にも大きな成果をあげようとする。




③利益を超えて

フォード社の元CEO ドン・ピーターセンはこう述べる。
「ピープル、プロダクツ、プロフィッツの3つのPの優先順位について徹底的に話し合った。
その結果、人々を絶対に第一に考えるべき。(二番目に製品、三番目に利益)」
そのあとには


「自動車事業で莫大な利益をあげるべきだとは思わない。適度な利益が望ましく、過度の利益は望ましくない。利益は適度に抑えて、販売台数を多くする方がよいと、私は考えている。


なぜなら、車を買って、車に乗ることを他の粗衣める人が増え、そして十分な賃金で雇用できる人数が増えるからだ。この二つの目標を達成することに、私は人生を賭けている」


基本理念は組織の土台になっている基本的な指針であり、「われわれが何者で、なんのために存在し、何をやっているのかを示すものである」
★ビジョナリーカンパニーと比較対象企業の決定的な違いは何か?
⇒理念に徹する傾向が強く、純粋な利益志向が薄いこと。


ビジョナリーカンパニーの多くが、社会的貢献、誠実さ、従業員の尊重、顧客へのサービス、卓越した創造力、主導的な地位、地域社会への責任など。
それが下記が例。


(e.g.)
★ビジョナリー・カンパニーの基本理念
3M
・革新─「新商品のアイデアを殺すなかれ」
・誠実に徹する。
・個人の自主性と成長を尊重する。
・誠実に努力した結果の過ちに寛容になる。
・質と信頼性の高い製品を提供する。
・「われわれの本当の事業は、問題を解決することである」。
アメリカン・エキスプレス
・英雄的な顧客サービスを提供する。
・信頼性の高いサービスを世界規模で提供する。
・自主性の発揮を奨励する。
ボーイング
・航空技術の最先端に位置する。パイオニアになる。
・大きな課題や冒険に挑む。
・安全で質の高い製品を提供する。
・誠実に倫理にかなった事業を行う。   等


⇒そして、経営者の時代を通じて、創業以来一貫している。


基本理念 = 基本的価値観 + 目的


基本的価値観=組織にとって不可欠で不変の主義。いくつかの一般的な指導原理からなり、文化や経営手法と混同してはならず、利益の追求や目先の事情のために曲げてはならない。
目的=単なるカネ儲けを超えた会社の根本的な存在理由。地平線の上に永遠に輝き続ける道しるべとなる星であり、個々の目標や事業戦略と混同してはならない。


●基本的価値観について
心から信じていることを表現するのが不可欠。他の企業が掲げている価値観は無意味。
重要なことは、どこまで深く信じるか。そして、組織がどこまでそれを貫き通したかである。
●目的について
目的は不変であり、終わりはない。金儲けというのは会社が存在していることの結果としては重要であるが、会社が存在している真の理由はなにか。


又、ビジョナリーカンパニーのすべてが設立当初から基本理念をしっかりした文書にしていたわけではない。設立当社は会社を軌道にのせ、成功させるために必死であった。





④基本理念を維持し、進歩を促す

基本理念は重要であることは確かだが、それだけではビジョナリーカンパニーにはなれない。


基本理念は大事に維持し守るが、企業理念を変えず具体的な行動はいつでも変更し、発展させていく。


(e.g.)
・「顧客の期待以上のことをする」ウォルマートの方針は基本理念の一部であり、ずっと変わらないが、入口にあいさつ係が立っているのは、基本理念ではない慣行であり、変わることもある。


・「航空技術の最先端に位置し、パイオニアになる」ボーイングの目標は基本理念の一部であり、ずっと変わらないが、ジャンボ・ジェット機の製造に力を注ぐのは、基本理念ではなく戦略の一部であり、変わることもある。


・「個人の自主性を尊重する」3Mの姿勢は基本理念の一部であり、ずっと変わらないが、一五パーセントルール(技術者が勤務時間の一五パーセントを自ら選んだプロジェクトにあてることを認める規則)は、基本理念ではない慣行であり、変わることもある。


・「顧客へのサービスを何よりも大切にする」ノードストロームの姿勢は基本理念の一部であり、永遠に変わらないが、営業地域を集中させる戦略、ロビーでのピアノ演奏、在庫を余分に持つ方針は、基本理念ではない慣行であり、変わることもある。


・「われわれは人々の生命を維持し、生活を改善する仕事をしている」というメルクの自負は基本理念の一部であり、ずっと変わらないが、研究開発の対象をいくつかの病気に絞り込むのは、基本理念ではなく戦略の一部であり、変わることもある。


そして、ビジョナリーカンパニーは自己批判をし、外部の世界から変化や改善を迫られる前に、自ら変化し、改善する。ビジョナリーカンパニーはどこよりも厳しく自らを批判する目を持つようになる。



◆図 基本理念と進歩への意欲


◆図 【基本概念】




◆図 (e.g.)ウォルト・ディズニー社



進歩を促すための具体的な方法については⑤~⑨に記載。






⑤社運を賭けた大胆な目標

それをBHAG(ビーハグ)と名付けている。
(Big Hairy Audacious Goals)


【ポイント】
・きわめて明確で説得力があること。それでいて組織内に活力がみなぎらないのであれば、それはBHAGではない。
・組織内の人々がなんとか達成できるだろうが、それには英雄的な努力とある程度の幸運が必要だと思えることが必要。
・達成する前に組織の指導者が去ったとしても、進歩を促し続けるものでなければいけない。
・次のBHAGも用意していくこと。なぜなら、前の目標が達成したのち、組織の動きがストップしないように。
・基本理念に沿うこと。⇒極めて重要。



但し、BHAGだけでビジョナリーカンパニーができるわけではない。





⑥カルトのような文化

ビジョナリーカンパニーに顕著にみられる特徴

  • 理念への熱狂
  • 教化への努力
  • 同質性の追求
  • エリート主義




⑦大量のモノを試して、うまくいったものを残す。

ダーウィンの進化論の中心が「繁殖し、変異し、強いものが生き残って、弱いものが死に絶える」
⇒健全な進化を遂げるには様々な実験(繁殖)を様々な種類で行い(変異)、うまくいったものを残し(強いものが生き残り)、うまくいかなかったものを捨てる(弱いものが死に絶える)ようにしなければいけない。




⑧生え抜きの経営陣

⑨決して満足しない

●黒帯の寓話
めったに与えられない黒帯をとうとう受け取れることになった武道家が、師範の前にひざまずいた。何年にもわたる苦しい修行によって、ようやく、頂点に立つことができるのだ。
「黒帯を受け取る前に、もうひとつ、最後の試練がある」と、師範が言った。
「準備はできています」と武道家は答えた。もう一回、試合をすることになるのだろうと考えていた。
「大切な質問に答えてもらわなければならん。黒帯の本当の意味は何なのか」
「旅の終わりです。これまでの厳しい修行に対する当然の褒章です」師範は押し黙っていた。
この答えに満足していないようすだった。しばらくたって、師範は口を開いた。
「まだ黒帯を与えるわけにはいかないようだ。一年後にきなさい」一年たって、武道家は再び師範の前にひざまずいた。
「黒帯の本当の意味は何なのか」
「武道で卓越した技を持ち、頂上に達したことを示すものです」師範は押し黙って、それに続く言葉を待っていた。
この答えにも満足していないようすだった。しばらくたって、師範は口を開いた。
「まだ黒帯を与えるわけにはいかないようだ。一年後にきなさい」一年たって、武道家はまた師範の前にひざまずいた。
師範は同じ質問を繰り返した。
「黒帯の本当の意味は何なのか」
「黒帯は出発点です。常に高い目標を目指して、終わることなく続く修行と稽古の旅の出発点です」
「そうだ。ようやく黒帯に値するようになったようだ。修行はこれからはじまる」




⑩はじまりの終わり

ビジョナリー・カンパニーは基本理念を維持し、進歩を促すために、ひとつの制度、ひとつの戦略、ひとつの戦術、ひとつの仕組み、ひとつの文化規範、ひとつの象徴的な動き、CEOの一回の発言に頼ったりはしない。
重要なことは、これらすべてを繰り返すことである。一貫性があることが重要。


※纏め

  1. 時を告げる予言者にならず、時計をつくる設計者になること
  2. ANDの才能を重視
  3. 基本理念を維持し、進歩を促す
  4. 一貫性を追求


最後に、なぜ偉大さを追求していくのか。
筆者はこう述べる。
偉大なことと規模は関係ない。
自分が情熱を持てる仕事、心から好きなことをしており、その目的を深く信じているのであれば、偉大さを目指さないことは想像すら難しい。
偉大な企業の経営者も口をそろえてこう述べている。
ビルヒューレット「価値観と成功によって世界の企業の経営方法に影響を与える会社を築くことに関心がある」
ダーウィンスミス「何であれ、自分たちが行うことは最高なものにしたい」
重要なのは好きだという事実、大切だという事実である。
ほんとうに問題なのは「なぜ偉大さを追及するのか」ではなく、「どの仕事なら偉大さを追求せずにはいられなくなるか」である。
「なぜ偉大さを追求しなければいけないのか、そこそこの成功でいいのではないか」と問わなければいけないのであれば、おそらく仕事の選択を間違えているのでしょう。





(5)考察


レベルは違えどビルゲイツ氏が年に数回実施されているThink weekを三泊四日で試みた。


2つの観点から考察する。


●Think Weekについて


このthink weekを実施してみて、自身のビフォーとアフターで何か変化をもたらしたのか、と問うと即答Yesとは正直いえない。


なぜなら、現実的に述べるようだが、3日間(72時間)という短期間で、よっぽどのことがない限り、人が容易く変わること自体、不可だから。
但しきっかけづくりにはいくらでも可能ではないかと考える。
それでも有意義な時間であったことは間違いなくいえる。
何が良かったかというと、時間を気にせず一人黙々と打ち込めるという素晴らしい環境。
何だよ結局環境か。
普段いる環境と異なるから、言われなくてもわかりきった話ではないか。
当然の話ではないかと思うかもしれないが、それがやはりベスト。
具体的には、普段の生活と比較すると何が違うのか。
それは今回であれば72時間延々と、部屋、旅館外、宿泊する人や従業員、すべてがほとんどシャットダウン中であること。
旅館の部屋には、一切モノが置いていないことよって、気が散らない。一方、普段いる部屋は普段着や荷物、携帯電話、ちょっとした雑音が入る。
旅館外には、コンビニへ行くには10km先で、周囲は山と川と少々の住居のみであり、気が散らない。一方、現在住んでいる場所は、外に出ると工事や自動車、バイク、電車の音、雑音、人で溢れかえる。
宿泊する人や従業員は、話声すら聞こえない状況で、気が散らない。一方で、部屋にいるときでも咳払いや話し声、廊下に出れば人とすれ違うこともしばしば。(当然のことを言いすぎだけれど)
(普段TVは見ないが、旅館に行って人生初めTVを一切つけなかった。)
一人でいる時間は結構好きなため尚更良かったのかもしれない。
では普通の旅行と何が違うのかといえば、目的が異なるので比較しようがない。
今住んでいる場所に帰ってきて「温泉入って、旅行に行ってきた」という感覚はほぼ0に等しい。
テーマは正直何でもいいような気がする。
一人だけの空間という環境で何かに打ち込むことが自分と向き合う上でも将来を見据える上でも大事なことだと感じた。
ただ、ビルゲイツ氏が行っているから素晴らしいことなのだろうかというと、そうでもないでしょう。
又、他の偉人も同様、同じようなことをしているのだろうかというと、必ずしもそうとはいいきれいないと思う。
より良い環境で行うほうが充実度も上がると考える。



●経営について
ビジョナリーカンパニー①と②を読み、自身が求めている思考が記載されていた。
特に針鼠の概念であった。
簡単におさらいをすると、
・自社が世界一になれる部分はどこか。同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこか。⇒持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を活かす。
・経済的原動力になるのは何か。⇒その仕事で報酬が得られる。
・情熱を持って取り組めるのは何か。⇒自分の仕事に情熱を持っており、仕事が好きでたまらず、やっていること自体が楽しい。
なぜ自身がこれを求めていたのかというと、将来進むべき方向の具体性に欠けていたから。
やりたいことをやる。しかし、それで収益を稼げるのだろうか。
自分の能力を活かす。しかし、それは本当に自分がやりたいことなのだろうか。
報酬のよい仕事をやる。しかし、自分にぴったりあっているのだろうか。
と考えるというより悩むことがあった。
インプットは誰しもが出来ることなので、実務において、現状自分の厳しい現実を直視し、問題意識・危機感を持ち、目標に向かって進歩を促せるかがカギ。
又、ビジョナリーカンパニーの本については、大枠の部分でとらえており、細かな行動指針・計画(HOW)まで落とし込めていない印象を持つ。
その為、他の本も読む。
現在考えているのは「マネジメント 基本と原則 P.F.ドラッカー著」を読み、自分の行動に落とし込みたいと考えている。
今回学んだ内容は、勿論、どれも大事な概念ではあるが、針鼠の概念が今の自分にとって一番大事だと感じている。



以上





---------------------------------------------------------------------------------------------------------
参考文献:
ビジョナリーカンパニー ①時代を超える生存の原則 ジム・コリンズ著
ビジョナリーカンパニー ②飛躍の法則 ジム・コリンズ著

×

非ログインユーザーとして返信する